コナンはファンタジー、はっきり分かんだね。『名探偵コナン から紅の恋歌』を観た

2017年の年明け、1年の目標として「映画を24本以上観る!」というのを立てた。

とりあえず今年に入ってから、

 

ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち

ラ・ラ・ランド

パッセンジャー

SING

暗黒少女

3月のライオン 前編

の6本を観て、今回のコナンで7本目なのでもうちょっとたくさん観に行きたい。

 

幼馴染の友人と一緒に決めたので、だいたい仕事終わりのレイトショーに2人で行く。

1人映画も大丈夫だけど、やっぱり始まる前に「どんなのかな?」という話をしたり終わった後に「こうだった!」と話せる相手がいる方が楽しい。

 

コナン自体は年に1回くらいテレビで観るくらいで、まあ大筋の流れ(俺は高校選探偵、工藤新一。ある日幼馴染の蘭と~)は知っているけどそんなに興味はなく、一度は別のにしよう…と断ったけど絶対に観たい!と友人が食い下がるし、今回は関西組がメインだというのを知ってちょっと興味が沸いたのでとりあえず観に行くことに。

 

友人はわたしと違い、あまりオタク気質じゃないんだけれど唯一コナンだけは小学生のときからずっと漫画・アニメ・映画だけはすべて観続けている。

普段はアパレルでおっしゃれーに働き、わたしが3DSでポケモンをやっているのを見れば「もう大人なんだからやめて!」と言ってくる様な彼女を、コナンの何がとらえているんだろう、という疑問もあった。

 

実はコナンで前々から一番不思議だったのが、服部平治の関西弁の不自然さ。せやかて工藤!

これは、現代の関西人だったらちょっと笑いがこらえられないレベルだと思うんだけど、声優の方が関西人だと聞かされて不思議さレベルアップ。

 

そんなこんなで、約20年ぶりくらいのコナン映画。

 

オープニングの映像がめちゃくちゃ綺麗で、おぉ~と感動。

コナンすげぇ。音楽も凝ってるし、20年観ない内に進化している。

本編が始まって、やっぱり服部くんの関西弁は変。

内容は置いといて、メインストーリーは服部平治と遠山和葉の恋というかなんというかのもじもじごたごた(いわゆる平和)と第三の少女を殺人事件で包んで、百人一首の香りを添えてって感じ。

 

なんというか、なんというか…全体的につっこみどころが多くないか?と序盤から思い、きっと多分笑うシーンじゃない、むしろ手に汗握るっぽいところでも「ぶふぉっ」と吹き出してしまいそうになるので大変だった。でも満員の劇場は誰ひとりとして笑ってなかった。

コナンの七つ道具みたいなものの設定を知らないせいか、え なんで今助かった?どうなった?って場面も多かったけど、なんとか自分の脳内で補完しながら見続ける。

 

 

とりあえず、京都の人達の家、でかすぎ。

はいはい、えらいお坊ちゃまですねー。はいはい、ええとこお嬢様ですねー。

例えるなら、パリのお金持ちがベルサイユ宮殿レベルのお城に住んでる、みたいな。

 

いろんなところに設定盛られすぎてて、舞台設定とか背景がリアルなのに、まったく現実味がないなぁと思いながら観ていた。

 

んで、終盤に出て来たまたでっかい家のでっかい庭(山?)で、もーお腹イッパイ!

そんなの山肌に設置できるのか?っていうエレベーターとか、いやいやいや、これはもうファンタジーやん。って思ったところで、すっと納得がいった。

 

 

現代の、現実の、本当の話じゃないんだ!

ここはコナンワールドなんだ!

だって、1錠の薬で大人が子供になれる世界なんだもの!

 

今までわたしはなんという勘違いをしていたんだろう。

これは和風ファンタジー。盛ってナンボ、キャラ立ててナンボ。

 

そう思いながら最後の事件解決を見守る。

やっと終わった…と思ったら突然始まる実写!

不意打ちの実写に、忘れていた笑いがこみ上げる。(これは映画が終わってから友人に教えてもらったことなんだけど、コナンの最後はいつも実写らしい。)

 

あー、おもしろかった。

素直にそう思えた。

次回作の予告が流れて、それを観たいかと聞かれれば明確にNOだが、また平和メインのときはちょっと観たい。

だってわたしはコナンの中では新蘭より平和推しだから。

 

内容はアレだけど、コナンのキャラとか関係性は好きだ。

 

そして気づいたけれど、コナンにはオタクの好きなものがたくさん詰め込まれている。

幼馴染、同級生、腐れ縁、友達以上恋人未満、すれ違い、遠距離、両片思い…素敵なことはみんなコナンが教えてくれた状態だ。

 

もしこんな漫画やアニメが今、2017年に始まったとしたらどうだろう…ベタすぎて絶対流行らない。

まさにコロンブスの卵。

最初にやったやつだけがすごい。それを20年やってるコナンは怪物。

 

いろんな2次元のLOVEを見てきたオタクには王道(ありきたり)と感じるものでも、非オタクの友人にすれば新鮮に映るのかもしれない。

「次のもおもしろそうやな!絶対観に行こな!」と笑顔の友人に、あいまいな返事を返しながら20年ぶりのコナン映画鑑賞は終わった。